凍死の恐怖

雪がじゃんじゃん降る。
私は雪の少ない地方にしか住んだことがないのでオーっなんて思っていたが、やっぱ絶景だよ。

明日はスウェーデン語の5分間のプレゼン。
4時に英語の授業が終わったらもう暗くなっていた。おなかも減ったし、学生会館というか、コンピュータや売店や軽食やお菓子を食べれるところがあって、サンドイッチを食べようと行ってみた。ちょうどスウェーデン人の顔見知りが友達と話してた。よし暗記するのに彼に原稿を朗読してもらって録音しようと、このあと5分くらい時間ない?と聞いたらOKというので一安心。昨日日本人院生に見てもらった原稿を直し最終原稿をと思うも、保存し損ねて、かなり初期の原稿からリメイクすることになりあせりつつ、慣れないんでつづりを間違う。学校のコンピュータはスウェーデン語のワードの校正機能やスペルチェックがあるので、これでないとかけない。あ。そうそう読んでもらうのにプリンターで印字しないと。外は寒いから、とコートとお財布を持って出、待たせたら彼にも悪いし、すぐ帰るつもりで印刷しに行ったけど、なぜか一番近い図書館のプリンタの調子が悪くて、ダメ。あせって講義棟のコンピュータ室に行ってプリントしようとしたがうまくいかず。機械を変えたり部屋を変えたりそのたびにカードキーで出入りし、パスワードを入れてずっと待たなくてはならず。いらいらしながらはっと気づいた。学生会館5時に閉まるんだった。授業終わったのは4時だった!と思って結局印刷できないで戻ってみたら閉まっていた!!!二階にいた職員の人にあけてもらったけどすぐ帰るつもりで全部やりっぱなしで置いてあった荷物は(5分で帰るつもりだったから)片付けられていた。ショック。きっとどこかに保管してると思うから明日来たら?ていわれても部屋の鍵もあの荷物の中だぜい・・・・。
 こうして簡単に凍死の恐怖が訪れた。財布とコートを持っていたのは本当に幸いだったが。

ルームメートが8時半頃帰ってきてくれたんでまあこうしてパソコン打ててるけどね。本当にここでは簡単に凍死できるんじゃないかと。顔見知りに何人か会って親切にしてもらったからまあ外で寝なきゃいけないことはなかっただろうけど。人は助けあわないとね。簡単に死んじゃう気がする。

あすの発表の練習のためにの録音機もないし、確認のための下書きの原稿もない。でもましだと思うしかないな。

こういうことは起きると思っていたが本当に不意になにげなく起こるな。まだよかったよ。これがもっとひどいことになると本当に凍死しかねない。
日本だったらないと思うんだよね。大体鍵なんかちゃんと閉めないからね。玄関閉めてもどこからでも入れるし。家族がいるしね。一人暮らしでも大家さんとか近くにいたりね。それでもダメならガストとかね、うだうだしてられるし、めったなことで凍死しない(でも山谷とかでは大変)。いずれにしろ大して大事に至らないんだけどね。こんな死ぬかも、の恐怖は感じることがない。

鍵は肌身離さずでいなきゃいけないかもな。うん。命綱だから。寒い国は凍死するから。ちょっとうっかり、という自己責任が重い。

暑い国でも首を切られてしまった人のことがいつも自分の恐怖のように思い出される。誰も助けてくれない、その恐怖はうかがい知れない。これから何度も彼の最期を私はおののきながら自分の中で再現していくだろう。こういう時代を作ってしまった選挙民としての自己責任の限りなく沈痛な悔恨とともに。